ニゲラの部屋に関する裏話集。
ストーリー上で重要なネタバレを含みますので、まだプレイしていない方はブラウザバックを推奨します。
↑タイトル画面。この場所は実は少女の事故現場です。
企画段階のおはなし
最初の最初からやりたかったことは一つで、「時間を行き来するギミックを使ったゲーム」でした。私の好きなゲームとして「オリフィス」や「四つ目神」などのストーリーも面白いスマホ用脱出ゲームが挙げられたので、そこらへんに影響受けてるかもしれません。上記のゲームも時間や記憶を使ったストーリーなので。
ここから考えを発展させて、「過去の部屋を変えると、現在の部屋が変わって先に進める」という脱出ゲームのアイデアを思いつきました。しかしここで一番悩んだのがストーリーです。企画段階では全く説得力のあるストーリーが思いつかず、ずっと企画書が書けずにいました。ギミックのためのコードとかはなんとなく実装できそうだなと思ってたんですけどね。
↑企画の最初の方のメモ。「時間旅行ができる部屋の中」という制約を、どうストーリーに落とし込むか。初めは「自分の思考で部屋から脱出できる人工知能の試行実験」というアイデアだった。
まあ上のように人工知能の話だとしたら、過去にいけるギミックがある説得力が皆無なんですよね。なので「人が過去に行きたい時ってどういう時？」→「後悔していることを取り消したい時？」→「人の頭の中であれば記憶の時間旅行も自然では？」みたいな感じで進んで行きました。
↑人間の潜在意識に入り込んで記憶を改変する、というアイデアはクリストファー・ノーラン監督の「インセプション」に似ているかもしれません。
True Endの説得力が最後までちゃんと思いつかなかったのが自分の中でも心残りです。「もし過去改変して仕舞えば少女が少年と出会うこともなくなり、記憶がなくなってしまう。それなら過去改変しつつも少年が少女に記憶の中で出逢いに行けばいい！」みたいな筋書きが頭の中にあったんですけど、どうにも彼らの出会いのタイミングは学生時代がいいだろうなあと最後までいい感じのアイデアが思いつかず今のストーリーになっています。
主人公の名前は最後までいいのが思いつかなかったので、「主人公はプレイヤー自身だ！」との意図をこじつけて名前なしにしました。本当はプレイ前に好きな名前を入力してもらってそれをストーリーに反映するといったギミックを実装したかったんですけどなんせ時間がありませんでしたね。
最後に、電車の中でスマホで書いたメモ書きをここに置いておきます。
ニゲラ
主人公とミレイは高校の頃の同級生
ミレイはいじめにあっていた。
ニゲラを放課後の校庭で植えているところ、主人公と出会う。
主人公の存在がミレイを助ける。
ミレイの家族は火災に遭う。
公園で待ち合わせをする。
携帯の充電が切れる。
電車が遅れる。
ミレイはショックをうける
主人公は急いで向かうが
公園の前の道路で事故にあったミレイをみつける
2011/6/18にミレイと出会えていれば世界線が変わる
奇跡的に軽傷で済むが、精神的なショックにより植物状態になってしまう。
学校ではいじめられ、
家でも居場所はない
主人公にも裏切られる
ニゲラってどんな花？
「ニゲラは、キンポウゲ科クロタネソウ属の秋まき一年草です。」
詳しくはこのサイトをご覧下さい。
ちなみに物語に出てくる「クロタネ公園」は「クロタネソウ」から。「きんビル」は「キンポウゲ」から名付けています。
別のサイトではニゲラの花言葉についてこう書かれています。
「ニゲラ（クロタネソウ）の花言葉は、「当惑」、「困惑」、「深い愛」、「不屈の精神」、「夢の中の恋」、「ひそかな喜び」、「夢の中で会いましょう」です。
ニゲラの英語名は「霧の中の恋」です。これが由来して、「夢の中の恋」となったのでしょう。細く繊細な葉があるニゲラ。その葉の隙間から美しい花が咲きます。このことからニゲラには「ひそかな喜び」、「夢の中で会いましょう」という花言葉になったのでしょう。
また、ニゲラは古くから薬として利用されてきて、万能薬ともいわれていたのです。人々の健康をずっと支えてきたニゲラは、このことから、「深い愛」、「不屈の精神」となったと考えられます。」
詳しくはこちらをご覧ください。
これら全て今回の「ニゲラの部屋」で出てくる要素ではないでしょうか！？私はこれを見つけた時運命を感じました。。。さらに「未来 花言葉」と検索をかけるとヒットするのもニゲラです。ここからニゲラが浅葱色の花、花言葉は未来であることから、少女の名前を名付けました。単純に「未来」の読み方が「ミライ」だと想像がついてしまうので、少しひねってます。
ちょっとしたおはなし
制作の時のちょっとしたエピソードがあるのでここに書きます。カレンダーを書き換えるときに、「補習」であるべきなのに「補修が入ったのでナシ！！」と書くじゃないですか。あれ、普通にイラレで画像を作ったんですけど、誤字ってたのに気づかず修正も面倒くさかったので、主人公が間違えたことに仕立て上げちゃいました。ちゃんと書き換えた後に2回調べると、「慌てて書いたから誤字ってる……」と彼も反省してます。探してみてね。